チューリップの王子様

私が抵抗し続けていると、小さくグレイ様が舌打ちをした

そして、何故か持っていた小瓶に口を付けた

いきなりのグレイ様の行動に、私は困惑して動きを止めた

動きを止めた瞬間、グレイ様の腕が伸びてきて、私を拘束した


そして


「んンッ?!」


私の唇にグレイ様の唇が重なり、口の中に熱い液体が流し込まれた

そして、抗えずにその液体を飲み込んでしまった

喉が熱い
これは何?
私は何を飲まされたの?

私が飲み込んだのを確認したら、グレイ様の唇が離れた

少し濡れた唇を袖で拭って、グレイ様は部屋の扉へと向かった

私のことで、部屋の外は大変な騒ぎになっていた

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