チューリップの王子様

「アレは、目の色素を一時的に変える薬。グレイ様に頼まれて、私が作製しました。もちろん、カノン様。貴女の為にです」


グレイ様が?
私の為に?
レインさんに?

そこまで、考えた所でフラリと目眩を起こした

そして、その場に崩れる私


「んー…カノン様も、グレイ様ほどじゃないですが、弱いみたいですね?」


っと言って、私に近づいてくるレインさん

だから、少し身構える


「失礼します」


一言レインさんが言うと、私の体がフワリと浮いた

そして、グレイ様が倒れて眠っているベッドの上に私を下ろした


「え、あの…その…」

「そのまま、お休み下さい。大丈夫です。部屋の鍵は閉めておきます」


そう言い残し、レインさんは部屋を出ていった

そして、鍵を閉める音と共に私は意識手放した

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