チューリップの王子様
そう心を揺らいでいると、部屋の鍵を開ける音がした
そして、入って来たのはレインさんだった
「あ、おはようございます。起きられたんですね?」
優しく微笑みながら、レインさんが近づいてくる
少し体を強ばらせるが、逃げることはしなかった
「…おはようございます」
私が言うと、一瞬驚くような顔をしたレインさん
きっと、私が言葉を返すとは思ってなかったんだろう
でも、すぐに元の顔に戻り私に何かを差し出してきた
「替えのコンタクトです」
「あ、ありがとうございます」
それを素直に受け取り、私は覚悟を決めて震える声でレインさんに、あることをお願いした
「レインさん…私に仕事を教えてください」
この発言にも驚いたような顔をしたが、レインさんは直ぐに微笑んで"はい"っと快く承諾してくれた