チューリップの王子様

「ところで、カノン様は仕事に慣れましたか?」


レインさんが、グレイ様から視線を外し、私に聞いてきた


「あ、はい。レインさんが丁寧に教えて下さいますし…」

「私はそんな丁寧になんて、教えていませんよ?カノン様の覚えが良いだけです」


私の言葉に爽やかに答えてくれたレインさん

私は、そんなレインさんに聞きたいことがあった


「あの…レインさん?」

「はい?」

「なんで、私のことを"カノン様"って呼ぶんですか?あの、私レインさんより身分低い身なんですが…」


そう…レインさんは何故か、私がココに来てからずっと、私のことを"様"付けで呼ぶ

王子付き執事と
メイドの私

身分はレインさんの方が上なのに

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