チューリップの王子様
私は、正直に"終わりました"と告げた
っと、同時に引っ張られる私の腕
痛くはないが、結構強引に連れていかれたのは、王妃様のお部屋だった
「あの…」
グレイ様に何も告げずに来てしまった
せめて、置き手紙くらいしておきたかったなぁ…
「カノンちゃん!カノンちゃん!これを着てみて!」
私の心配をよそに、王妃様は目を輝かせながら、私に洋服を差し出してきた
楽しそうな王妃様の申し出を断るわけにはいかず、私は渋々ソレを受け取った
そして、着用…
「あの、王妃様…コレって…」
「やっぱりー!似合うと思ったのよねぇ…あぁ、可愛いわよ!カノンちゃん!」
私が王妃様に渡され、着用したのは…
フリルが幾重にも重なり、所々に綺麗なビーズが散りばめられた、薄いピンクのドレスだった