チューリップの王子様

「あ」


大人しく撫でられていると、グレイ様が一言発してその手を止めた


「カノン。明日の社交パーティー。レインの代わりに出てね?レインは明日、別の仕事を頼んじゃったから、出席出来ないんだよね」

「…え?」


サラッとグレイ様は言ったが、レインさんの代わりに私が出るって言いました?!

あの、万能執事さんの代わりに、低能メイドの私が?!


「…えっ?!無理です!あんな万能レインさんの代わりが私に務まるわけ…」

「大丈夫だって、仕事なんてほとんど無いから。カノンはただ、俺の後に付いて居ればいいだけだから」


簡単簡単、大丈夫、問題ない
っと言いながら、グレイ様は私の拒否を受け入れてくれなかった…

今から不安しかないんですけど…

本当に、大丈夫かな?

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