チューリップの王子様

「カノン?」


私がリーノの方に意識を向けていたら、グレイ様に名前を呼ばれる

だから、慌ててグレイ様に向き直った


「えっと、すみません…よそ見してました…」


私が言うと、グレイ様は私が視線を送っていた方を見た

そして、何かを考え始めた


「あの子…カノンの血縁者…だよね?ちょっと似てる」


小さい声で私に聞いてくるグレイ様に、小さく頷く

すると、また考え始めたグレイ様


「グレイ様?」


何かを思案しているグレイ様に呼び掛けたが、返事の前にグレイ様が行動にうつした

私が視線を送っていた相手
リーノの所に歩き出したのだ

だから私は、慌ててその後ろを追いかけた

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