チューリップの王子様
「ねぇ、カノン…パーティーに出てみない?」
食事を終えて、談笑をしているとお母様が言った
「で、でも…私は、存在しない子だし。…目、赤いから…」
外の世界を知らない私
パーティーなんて、もちろん出たことがない
絵本や、お話で知ってるけど目の赤い私には遠い世界だった
「出たくない?」
そう聞くお母様に、首を左右に振る
本音を言えば出たいに決まっている
綺麗なドレスやたくさんのお友達…素敵な恋にも出会いたい
でも、すべて"ブラッド・アイ"が邪魔をする
「出たい…でも、目が…」
「大丈夫よ。年に1度の仮面舞踏会…身分も素顔も隠して楽しむお祭りだから」
仮面舞踏会…?
身分も素顔も隠す…