チューリップの王子様

「おいで、髪をセットしてあげる。…あと、メイクもやり直そうね?」


泣いたリーノの顔は、涙でぐちゃぐちゃだった


「うん。ゆっくりやってね?私、もうちょっと姉様と一緒にいたいから」

「うん」


そして、髪とメイクをやり直すため、リーノを椅子に座らせた

私が作業していると、リーノは嬉しそうに鼻歌を歌い始める


「そんなに、嬉しいの?」

「うん!姉様に髪の毛を結ってもらうの、久しぶりだもん」

「ふふっ…そっか」


こんな少しのふれあいで、こんなにも喜んでくれるなんて

可愛い妹だね

後で、この嬉しい時間をくれたグレイ様にお礼を言わなきゃね

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