あの2日前
俺の母親と話しを終えた春はニコニコしたまま俺の横に戻ってきた。
母親が冷蔵庫の扉を開けた。ケーキとジュースが入っている。

「あれ?仁、ケーキ食べていいんだよ。」

「いらない。」

普段なら喜んでケーキを食べる俺を知っている母親は俺の体調を心配した。
俺が「何ともない腹が減っていないだけだ」と言う事を伝えると、あろう事か母親は春に「春くん、ケーキ好き?食べる~?」と聞いた。
俺は母親が春にケーキを食べるか聞いた、たったそれだけの行為が腹立たしく気にくわなかった。

「ケーキ!!・・・いや、大丈夫です。お腹が減っていませんから。ありがとうございます。」

俺の顔色を伺った上で察した春はケーキを断った。
今日俺の家に遊びに来た春は少なからず俺に恐怖を抱いたに違いない。

殺される。

そこまでの恐怖ではなくもっと子供らしい、嫌われてるのかなとか、何か悪いことしちゃったかなとか・・・。
やっぱりお前バカだよ。
春、お前はこの俺に、お前が大好きな親友のこの俺に殺されるんだよ。
俺はお前のことが大っ嫌いだからさ。
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