あの2日前
仁くんの家は凄く大きかった。家の玄関まで、まずとても大きな門をボタンで開けて、門が開いたら僕の背がちょうどいいくらいの機械があって、そこに右手の人指し指を当てると玄関の扉の上に付いてるランプが赤から青に変わった。
僕はこんなに大きな家も、玄関についてるランプも、指紋認証の機械も全て初めて見た。
言葉が出なかった。
仁くんちに到着して、目の前に広がる大きな家に気が付いてからずっと口が開いたままだった。
これじゃあ確かに、汚い錆びた缶に入ったお菓子なんて好きなわけがないと思った。
あの時、地面に落ちたお菓子を拾わせてくれなかった理由がわかった。
あんなの食べるわけないや。
お母さんには悪いんだけど、缶の中は空なんだし食べた事にすればいいって考えた。
「仁くん、凄いね。本当に凄いよ!!」
僕は感動した。
やっと広い庭を抜けて玄関にたどり着いた。
重そうな大きな玄関の扉はカードキーだった。
ギーっと低い音を立てながら玄関の扉が開いた。
中からは家とは思えないいい匂いがした。
なんだろう・・・。
僕にはその匂いがなんなのか分かんないんだけど、とにかくいい匂い。
「いいなぁ。仁くん、羨ましいよ。」
家を褒められた仁くんは、まんざらでもない表情をしている。
「春、入っていいよ。」
「うん!!凄い!お城みたいだ・・・。お邪魔しま~す。」
僕はなぜか、小声になっていた。
玄関に入ってまず目に飛び込んできたのはとてつもなく大きなイルカの絵だった。
僕んちの居間より大きい。
なんか僕は普段、仁くんちの玄関で生活している気持ちになった。
仁くんが家の中に入って玄関の扉をボタンで閉めた。
「着いてきて。」
「うん!!!」
仁くんの後ろをついて行くと、右側にプライベートルームと書かれた部屋があった。
何も言わずに仁くんがその部屋のドアを開くと、間違いなく僕んちよりもはるかに広い部屋になっていた。
壁いっぱいの大きさのTVや見た事がない木目柄の大きなスピーカーが天井やTVの横とあちこちに設置されている。
「仁くん、ここ映画館ではないよね?」
仁くんは僕の愚かな質問に対して、
「俺の家だよ。」
と答えてくれた。
僕はこんなに大きな家も、玄関についてるランプも、指紋認証の機械も全て初めて見た。
言葉が出なかった。
仁くんちに到着して、目の前に広がる大きな家に気が付いてからずっと口が開いたままだった。
これじゃあ確かに、汚い錆びた缶に入ったお菓子なんて好きなわけがないと思った。
あの時、地面に落ちたお菓子を拾わせてくれなかった理由がわかった。
あんなの食べるわけないや。
お母さんには悪いんだけど、缶の中は空なんだし食べた事にすればいいって考えた。
「仁くん、凄いね。本当に凄いよ!!」
僕は感動した。
やっと広い庭を抜けて玄関にたどり着いた。
重そうな大きな玄関の扉はカードキーだった。
ギーっと低い音を立てながら玄関の扉が開いた。
中からは家とは思えないいい匂いがした。
なんだろう・・・。
僕にはその匂いがなんなのか分かんないんだけど、とにかくいい匂い。
「いいなぁ。仁くん、羨ましいよ。」
家を褒められた仁くんは、まんざらでもない表情をしている。
「春、入っていいよ。」
「うん!!凄い!お城みたいだ・・・。お邪魔しま~す。」
僕はなぜか、小声になっていた。
玄関に入ってまず目に飛び込んできたのはとてつもなく大きなイルカの絵だった。
僕んちの居間より大きい。
なんか僕は普段、仁くんちの玄関で生活している気持ちになった。
仁くんが家の中に入って玄関の扉をボタンで閉めた。
「着いてきて。」
「うん!!!」
仁くんの後ろをついて行くと、右側にプライベートルームと書かれた部屋があった。
何も言わずに仁くんがその部屋のドアを開くと、間違いなく僕んちよりもはるかに広い部屋になっていた。
壁いっぱいの大きさのTVや見た事がない木目柄の大きなスピーカーが天井やTVの横とあちこちに設置されている。
「仁くん、ここ映画館ではないよね?」
仁くんは僕の愚かな質問に対して、
「俺の家だよ。」
と答えてくれた。