秘密のMelo♪y④*ウィーン編㊦*

ぷんすかしながらみんなで広間に向かった。

大きな扉を開けると、ふわんといい匂いが漂うこと漂うこと…❤

急にお腹すいてきた!


「お待たせして申し訳ございません。神崎が材料の調達を間違いまして…い、いえ! 責任転嫁をするつもりはございませんがその…」


「うん、いいよ…。大変だったんだね…」


あの坂本さんがこんな風に言うなんて、あいつ相当大きな間違いしたな?

材料の注文は昨日の晩か今朝したはず。

その頃はそんな忙しくなかったでしょうに…!


「あの人本当に藤峰家の使用人なの?」


「藤峰家のっていうか、三人はまおの専属だお。本家にはもっとうじゃうじゃ…」


「うじゃうじゃってなんとなく聞こえよおないで」


「そーお?」


「専属ってすごいわねぇ…」


専属っていってもそんなすごいもんじゃないよ。

野木さんは運転手さん、坂本さんはお世話係り、お兄ちゃんは実は、あたしが音楽活動をするにおいてとても重要な人。

芸能人で言えばマネージャー。

会社で言えば秘書。

そんな感じ?

だからまあ、おうちでのお仕事が少々できなくたっていいんだよ。

本業じゃないしね。


「そうだったんだ。ほんとに付き人だったのね」


「そういえば偽物騒動の時もいたっけね」


「いましたよー」


すっかり忘れてたけどね。

なんせ久しぶりだったからね。

うん、忘れてたけど。

忘れてた忘れてた。



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