秘密のMelo♪y④*ウィーン編㊦*
『ほら、バイオリンよバイオリン。あそこでなくなったでしょ?』
あ…そうだった。
そういえば見つからないままなんだったっけ。
『うーん…あれからしばらく学校をよく探したんだけどなくって。もうどこ探していいか分からないから今放置中』
ぺらぺらっと喋ると、かっくんがふと思いついたようにとんでもないことを口走った。
「ちょっとゆすれば尻尾出すんじゃねぇの」
「ゆする!?」
「世界中に脅迫文を…」
「脅迫!?」
あたしひょっとして…!
とんでもない人旦那にしたんじゃないかしら…!?
『…そういうの、権力誇示って言うのよ…』
そうよ…! そうなのよ…!
だからやめて…!? 半殺しなんてやめて…!?
「そんなことは一言も言ってない。……まだ」
「まだ!?」
言う気だったの!?
…え、言う気だったの?
「……言う気だったの…?」
「なにが?」
「ごまかした!!」
ま、まさかごまかされるとは思わなかったよ…。
びっくりしたぁ。
「あーそういえばさ」
急に思い出した。
忘れないうちに…。