秘密のMelo♪y④*ウィーン編㊦*
てんやわんやの一週間
―――……
「…きろ……起きろまお!」
「にゃあ!?」
「くくっ…」
「なっ、なっ、なに? なにごと!?」
いいい今っ、今っ…!
なんかほっぺたにへんなものが……って…。
「り、梨音…?」
翌朝あたしが目覚めたのは、かっくんが梨音の前足でぺしぺしあたしの頬を叩いたからだった。
おまけにあの子ったら寝てるあたしの顔を舐めたの!
びっくりもするってもんじゃない?
「お、おはようございます…。目、覚め切っちゃいました…」
「そりゃいい。…じゃあ早く着替えな。遅刻するぞ」
「え? 遅刻? ……え、学校…?」
「当たり前」
そ、そうでしたね…。
学校……でしたね…。
のそのそとベッドから降り、昨日あらかじめ用意しておいた洋服に着替えた。
「かっくん~…」
「ったくお前は…。なんで出来もしないのに毎日毎日そんな服ばっか着るんだよ」
「だってこんな服ばっかりなんだもん。それにかっくんがしてくれるからいいじゃん❤」
「明日からはどうする気だ?」
「今までみたいに坂本さんに頼みます」
かっくんがここに住むようになってから、坂本さんはあまり部屋に来なくなった。
「新婚さんですから❤」だって。
まあ確かに、かっくんが起こしてくれるしひも結んでくれるしいいんだけど……って…。