秘密のMelo♪y④*ウィーン編㊦*

どよめきだす宝院の生徒。

周りのニューヨークの人間達も観光客も、誰もが爆風に煽られながら振り返った。


「おい…っ花梨! 今…真緒ちゃんと電話してたんじゃなかったのか!?」


振り返りながら聞くと、真っ青な顔で携帯を握りしめて叫んでいた。


「真緒っ、真緒!! 真緒、ねえったら! 真緒ーッ!」


「お、おい……まさか…」


修平もだんだん顔色を変えて、未だ爆風が起きる空港方面と花梨を見比べる。


「切れ…た……。嘘でしょ…?」


カタン…と携帯を落とし、座り込む花梨。


咄嗟に抱きとめて携帯を耳に当てるも、ツーッという機械音しかしなかった。


「……花梨。…真緒ちゃんは……空港にいると…言ったのか…?」


放心状態の花梨にゆっくり問いかけると、ほんのわずかに頷いた。


「空港に…いる…って……言ってて…! あのっ、爆発と同時に、電話の向こうからも音が…!」


ぽろぽろと涙をこぼしながら震える花梨の…。







「真緒―――…ッッ!!!」







悲しい叫びが、冬の空にこだました。





 秘密のMelo♪y④*ウィーン編㊦*―完―




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