秘密のMelo♪y④*ウィーン編㊦*
「なにも嘘ではない。事実なのだから、利用したっていいんだ。だが使い方を誤ってはいかんぞ? 振りかざすのと、利用するのとではまた違う。意味を取り違えるな?」
「はい…」
「…というわけだから、歴史を守るためには貴族の末裔という立場を守らねばならん。そのためにそれなりの振る舞いが必要だと、そういうことさ。これが言いたかっただけ」
「……あっそ」
長いんだよ!
なら最初からそれだけ言えよ!
前置きいった? いらないよね?
『やっぱりすごい家なのねー』
『俺ってすごい人に触ってる?』
『きゃーっあたしも❤』
「あ、あたしの真緒ー!」
『この髪の毛うらやましーい』
『ハディだって似たようなもんじゃない』
『色が決定的に違うわ』
『それは仕方ないわよ』
……ちょっと。
みんな人をベタベタベタベタと…。
…確かに! 藤峰なんだから触るななんてことは言いませんけど!
個人的に拒否したい気分!
あたしは人形じゃないぞ!
「人形みたいに可愛いよ」
「褒められてるように感じないよ蓮くん」
「そう?」
うん。そう。
「…ちょっとちょっと。私の話、まだ途中なんだけど」