秘密のMelo♪y④*ウィーン編㊦*
「ま、せいぜい頑張って」
「なにを?」
「ほんじゃ私準備に行ってくる」
「おいおい待て待て」
「ばいばーい」
ばいばいじゃねーわよ!
どこ行くの? …あ、準備ね。
いやそうじゃなくて、なにを頑張れって?
第一この招待状ホントに有効なんでしょうね。
珍妙な動きをしながら出ていった父様の背中をちらりと見やり、もう一度紙切れを見直した。
「……やっっっぱりバカにしてるわぁ…」
でなきゃ父様自身が本当に馬鹿なのね。
うん。そうに決まってる。
「ねえねえパーティってなんのこと?」
りんりんがあたしの手元を覗き込みながら言った。
…ふっ。いいわ。
そうよそうなのよ。
「公の場では、あたくしは高嶺の花!!」
「…お前どこで覚えたその言葉」
だからして!
いくらヤツといえど、迂闊に手出しはできぬはずだわっ。
『ねえねえさっきからこの子なに言ってるの?』
『ヤツって誰?』
『なんでそこで俺を見るんだよ』
…そう!
そうなの…!