秘密のMelo♪y④*ウィーン編㊦*
「ん? なんだい」
「いんや…。おめェみたいなのがなんでこんな二人と付き合ってるのか、ちょっと気になってね」
「ああ…。よく言われるよ」
いや…言われてねェだろうぜその顔は。
適当にあしらうってのがコイツの十八番か。
なんだ…。
なんだかんだで、コイツらとマヒロとカエデ。
あの四人には心を開いてるようだな。
だがそこまでか。あくまで俺らにゃ踏み入らせないつもりらしいな…。
ま、いいけどよ…。
『ねーえちょっとシュン。マヒロ達いつ来るの?』
『俺に聞いて知るわきゃねェだろ。そのうち来るんじゃねェのかい』
招待客らしき人もどんどん集まってきた。
主催は確かマヒロんとこじゃなく谷川…とかいうところだっていったか?
そこよりは先に来るだろうぜ。
ポケットに両手を突っ込み、壁にもたれかかった。
そのさらに十分後のことだった。
―ザワザワザワ…
会場内が妙に騒がしくなった。
『藤峰様方がご到着なされたそうだ!』
『真裕様はいらっしゃるのかしら?』
耳を傾けると、みなそういった会話だ。
「どうやら着いたようだぜ。マヒロ達が…」
「あら本当?」
「真緒たんどないカッコしとるやろ…❤」
「ふっ。せいぜい、見惚れて楓にぶっ飛ばされることだね」
「いんや! 見惚れるけどぶっ飛ばされてたまるか!」