秘密のMelo♪y④*ウィーン編㊦*

思わず呆れながらも、声をかけた。


『…失礼する』


『……』


ああ? 無視かい。

よくもまあ…。


『どちらさんか知らねェが、放してやってはくれないだろうか』


「……分かる言葉で話せや若造!」


「……」

「……」

「……」

『……』

『……』

『……』


『日本語かい!!』


…おうよ!

そりゃまあ声も揃うわな。

確かによく見りゃ日系じゃねぇかよ。

分かってて分からねェフリしてセクハラかい。

気色の悪いオヤジだな。


「それなら話が早い」


「…お、おい?」


もう一度口を開こうとしたら、レンジが一歩前に出た。


「僕…バカと変態とオヤジは嫌いなんだ。三拍子揃ってるあなたは最悪だ。視界から去ってはくれないか?」


「……」


「な、なんだと! お前どこのもんだ?」


やるなコイツ…。

よくもまあ面と向かってズバズバ言えたもんだ。

しかし無謀とも言えるぞオイ。どうする気だ?


< 79 / 275 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop