秘密のMelo♪y④*ウィーン編㊦*
「ち、ちょっと蓮二…? 大丈夫なのそんなこと言って」
「事実を告げることは悪いことじゃないさ」
肩をすくめてそう言うレンジ。
だがな。
この場合、事実だろうがなんだろうが言い回しを考えようぜオイ。
マジでおもしれぇなこの連中。
「フンッ…。礼儀も知らんガキ共が! まったく、だれがこんな者をここに…」
「わたくしの」
「えっ…」
…ブツブツと文句を言い始めたオヤジ。
その背後から……凛とした声が響いた。
「…わたくしの連れがいかがなさいました?」
「…!!?」
「!」
「真緒!」
「あ。助かったかも」
かもじゃねぇんだよレンジ…。
「え…う…あ…!?」
「……もう一度問います。…わたくしの連れが、いかがなさいましたか?」
「……!! っ…うああー!!」
キッと強い目で睨みつけながらも口元は笑みを称えている。
…どーにも器用な真似だなぁ…。
ビビったオヤジは逃げていった。
近くにいた数人の客は、くすくすと笑いをこぼしている。
「いけませんわよ…はしたない」
「あら、そういうあなたこそ…」
…そんな会話と共に…。