秘密のMelo♪y④*ウィーン編㊦*
ぐるんと勢いよく振り返ったカリンは、なにやら気まずそうな顔をしていた。
「どうした?」
「……」
『カリンちゃーん?』
「…ちゅうしてたけど」
「……」
「……」
「……」
『……』
『……』
『……』
ほーお…?
ちゅう…ねえ?
『開けよう』
『そうね』
『貸してカード』
「え? …あ、これ?」
―ピーッ
そうして再び扉は開かれた。
『カエデ!』
『場をわきまえな…』
―ぼっふん
「……てめェら静かにできねぇのか」
…おうおう。
ドレスアップしたレディにことごとくクッション投げつけるたぁさすがだな。
コイツマヒロ以外女を女とも思ってねぇな。
…そこにいたのは、高級そうなソファに腰掛けたカエデとその膝を枕に眠るマヒロの姿だった。