秘密のMelo♪y④*ウィーン編㊦*
――楓サイド――
『カエデ!』
『場をわきまえな…』
―ぼっふん
『……』
『……』
うるせぇやつらだな…ったく。
ソファにこれでもかと並んでいるクッションを手に取り、飛び込んできたメイリーとリジュの顔に投げつけた。
『なっ…なにすんのよ!?』
『アンタちょっと、マヒロ中心にもほどがない!?』
『いーや。今のはお前らが悪い』
見てわかんねぇのかよこいつ寝てんだろ。
そういう意味を込めて、びしっと真裕を指差した。
「真緒どうしたの?」
さすがに花梨は状況を読むのが早く、すぐさま駆け寄ってきた。
「疲れたんだろ? 久々だから…。気分悪いっつって倒れかけた」
顔色もすげぇ悪いし、ちょっと本気で焦ったけど。
「……でも今あんたちゅうしてなかった?」
―ぴしっ
『あ、固まった!』
『してたんだな』
『してたのねぇ』
「……してねぇ」
『こういう時は意外と嘘下手なのね』