秘密のMelo♪y④*ウィーン編㊦*

「だって……父様(あの人)ってなんか色々めんどくさい…いや、色々うざい…いや…」


「思ってても言ってやるな…」


「途中で止めたんだからいいじゃない」


いや、最後まで言い切っただろお前。

だいぶハッキリ言ったぞ。


『マヒロ、大丈夫なの? 顔色よくないわねぇ…』


『人とお酒の匂いと暑さに酔った』


「酔いまくりだな」


「え? 酔った? お酒飲んだの?」


「人と酒の匂いと暑さにだとよ」


「……酔いまくりねぇ…」


そりゃまあ仕方ない。

一番は人だろう。

こういった場に立つのは普段でも疲れる(らしい)のに、何年振りかだからな…。


頭をもたれて目を閉じる真裕の頭をゆっくり撫で、濡れたタオルを首に巻いた。

この部屋は涼しいし…すぐによくなるだろ。


「まっひろちゃんはここかなー? おっ。いたいた。ラブラブな娘夫婦、いたいた」


「え"!?」


『うわ!?』


「……」


そのものすごく嫌なタイミングでこんなことを言いながら入ってくるのは一人しかいない。


「…あれ。どしたのまおたん」


「ハア…。気持ち悪くなったよかっくん…」


「えええ!? だ、大丈夫かねまおや」


「父様の暑苦しさのせい」


「があんっ…」


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