秘密のMelo♪y④*ウィーン編㊦*
――真裕サイド――
せっかく、かっくんのいい匂いに包まれて、涼しいところで眠ろうと思ったのに。
暑苦しい人が暑苦しく出てきたせいでなんかげんなり。
「しくしく…。楓くん、この子どったの?」
「いや…別に大したことは…」
「ないの?」
「え…まあ」
「ほんとおに?」
「……ハア…。分かりましたよ…」
おっ。
かっくんたらさすがね。
いつの間にそんなとこまでいってたの。
『え。今のでなにが分かった…?』
『いや、なにも分かんない』
「きっと楓にはテレパシーかなんかがあるのね。だって真緒の言わんとすることもいつも分かっちゃうわ」
「真緒たんはあれやあれ。愛❤」
まあ❤
しゅっちゃんたらすてきなこと言ってくれるのね❤
「まお帰るか。な」
「うんっ」
やたっ! 父様がバカで…いや、親バカでよかった!
少々のことでもすごく心配して家に押し込めるの。これ、昔からそう。
「じゃあたしも帰る。おなかもいっぱいだしー」
『あたし達もー』
…こうして、ただめんどくさかっただけでなんの意味もないパーティーは、あたしの中ではもう終わった。