Strawberry & Happy Birthday

-『…あぁ。ここまでは順調だ。むしろ今日がスタートというべきさ。
…このパーティーでようやく例のショッピングモールの設計図が手に入る。



-『……そっちこそ順調なんだろうな?
期待してるぜ。欠点だけの偽の設計図作り。



-『…何?
…本当にうまくいくのかって?
…はっ、いくに決まってんだろ。俺を誰だと思ってる。廃材も手配済みだし、どーせ現場で働くのは奴らの下請けの子会社どもだ。金さえ握らせりゃこっちのもんだ。欠陥工事をさせるなんて朝飯前だぜ。



-『…騒ぎになったところでこっちにはお前が作る設計図があるし、何より世間や警察どもがどっちを信じるかなんて明白だろ。大手の大企業八王子グループか、たかが数年で少し成長した中谷建設か。目に見えてる。



-『……そうまでしてってか?
当たり前だろう。あの小娘のせいで俺がどんな目にあったかなんてお前も知ってんだろうが。
今度はこっちの番だ。あの女を地獄に叩き落としてやる。そのための5年だったんだからな。ぬかりはねぇ。
だから余計な心配なんざ要らねぇ。お前はお前の仕事だけこなせ。わかったな?』-





八王子グループ専務はそのまま電話を終えて物置部屋を後にした。

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