Strawberry & Happy Birthday
┗No.18.9 Tsubaki's letter
それからの私は憑かれたように仕事に没頭したわ。
柾を失った現実から少しでも目を背けたくて。
がむしゃらに働いた。
そんな毎日が13年続いたある日、私はとうとう疲労で倒れてしまったの。
身体を休めるようにとお医者様からも強制された。
これも神様からのお告げかもしれない。
私はやっと柾と向き合うことにしたわ。
13年ぶりに柾が過ごしたあの別荘を訪れた。
柾が最後に過ごした家は柾が出て行った時のまま時間が止まっているかのようだった。
使用人が敢えてそうしていたのだと話してくれた。
そして私に手紙を差し出したの。
それはあの3月31日に届いた命清 椿さんからの手紙だった。