Strawberry & Happy Birthday
バカだ。
現実逃避もいいとこだよ。
いもしない両親に縋るなんてさ。
ホント、ばかみたい…。
命日が近いせいか、やけに両親のこと思い出すな…。
まぁ、両親の記憶なんて全くないんだけどね。
顔だって知らないし、抱いてもらった記憶も何もない。
父親は名前だって知らない。
そんな両親が残したのはただ一つ。
母さんが死に際に生まれた私に言った言葉だけ。
「父さんと母さんは……あんたのこと…ずっと愛してる…」
そのたった一言だけ。
じじいと、母さんの親友が聞いた母さんの最期の言葉。
だから嘘だとは思わないけど…。