Strawberry & Happy Birthday
No.11 蜂と華~会合~
全くもー…!
課長のせいでシリアスな気分がすっかり萎えちゃったというか…!
もう絶対私からはキスしないようにしよう。
そうしよう。
じゃないと身がもたない。
――て、今はそれより。
あいつのことだけに集中しなくちゃ。
「やぁ、命清さん。すまないね待たせて」
「いえ別に…」
約束の時間よりも少し遅れて八王子先輩がファミレスへとやって来た。
私と向かい合わせに座る。
向かい合うだけで私の手が震えている。
目の前の男が怖いからじゃない。
心の底から許せないからだ。
この男を。
必死で私は震える手を押さえ付けた。