記憶のつぶ
『ま、ゆっくり考えて。仕事終わったら連絡ちょうだい。』


「学校ってどこも雰囲気似てるよな〜」
「そういうもんなんですね。」
「俺は土曜休みは反対だなぁ。」
「なんでですか?」
「あの午前中で帰れる。午後から何しようかな?って考えるのがワクワクするんだよ。」
「へぇ〜」
幸が俺に気付く。
表情が少し固くなる。
「大丈夫ですか?」
「あぁ‥

そういえば幸の携帯とかは‥」
「なにも持っていませんでしたよ。」

そうだよな。
何か持ってればすぐ連絡ができたんだ。
やっぱりなんか事件に巻き込まれたのか‥

「じゃ、行くか。」
「はい。」
「どう?」
幸は首を横に振った。


「こんにちは。」
「はーい。あら、裕一郎くん。」
おばさんが笑顔で迎えてくれる。
「幸、見つかりましたよ。」
「え…‥?」
おばさんには連絡していなかった。
幸にも色々考える余裕も必要だと思ったから。
おそるおそる幸が入ってくる。
「幸!!」
無理もないが、手を口に持って行ったまま動けなくなっている。
「母さん?」
おじさんがでてきた。
「こんにちは。」
目が見開く。
「お前…今まで!!」
叩かれる。
「おじさん!
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