記憶のつぶ
なにか腑に落ちないものを感じた‥
幸があんな顔をして見送ったからだろうか‥

ふっ‥
今日は苦笑いしかしてないな。

更に笑いがもれる。



ブルルル―‥

「はい。」
『裕一郎は飲みどうする?』
「ごめん。今日は無理だわ。」
『そっか〜‥
ね、今度二人でご飯でも食べ行かない?』

幸の克哉に向けられていた笑顔が横切る。

幸が戻って来て、あの笑顔は他の奴に見せていない‥親にさえ‥

仕方がないことなんだろうけど、苛立ちはある。

『裕一郎?』
「あ、ごめん。いいよ。」
『本当!じゃまた連絡するね。』





やけに大きな携帯が閉じる音。

想いが絡まっていく…
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