記憶のつぶ

母は思う。

『本当‥記憶がないのね‥‥違いすぎる。
こんな時は真っ先に、何処に行きたい!って言っていたのに‥‥』



暫くして車はこのあたりでは大きなデパートに着いた。
夏休みも後少しだからか家族連れでごった返していた。田舎は行くところが限られる。



外に出ると汗が吹き出してきた。

「暑〜い。」

少々小走りなお母さんに、私も小走りになる。

入り口をくぐると温度差のせいか寒く感じた。


何となく目的はあるもののお母さんはプラプラ目に止まった物を手にしている。

「気に入ったのあった?」
< 25 / 54 >

この作品をシェア

pagetop