記憶のつぶ
「入れます‥」
コーヒーはあまり飲まなかった。
克哉さんからは大抵紅茶が用意された。コーヒーは市販のパックだけだったから。
ついそのまま飲んでしまった。
一つづつ入れて落ち着いた。
「気に入ったのなかった?」
「うん。」
「そっか〜‥よくあるわよね。」
お母さんはニコニコとブラックコーヒーを飲む。
『幸の母さん、見た目は甘党みたいなのにな。』
えー‥
思わず周りも見渡す。
「どうしたの?」
私の中で聞こえた‥?
前にもあった‥‥
「ううん‥なんでもないです。」