記憶のつぶ
「ごめんなさい‥」
「いいのよ!!気にしないで」
そんなお母さんに申し訳なくなった。
あ、
でも‥
あれ‥
わからない声が聞こえる事がある。
あれは
もしかして記憶なのかしら‥
点々と私に?
でもなんだか、私のモノとは思えない。
「幸?」
「‥ううん。なんでもない‥です。」
そんな会話になれてしまったお母さん。
にっこりと、
「お茶にしようか。」
「うん。」
そのまま今日は荷物は出しそびれてしまった‥
「ただいまー」
お父さんがいつも通りに帰ってくる。
いつも通りの我が家。
「幸は?」
「お風呂ですよ。」
「で、どうだ?」
お母さんは首を横にふる。
「そうか‥」