記憶のつぶ
――‥‥
思わず走り出した俺。
さっきの
え―‥
は元カレじゃないか?
あれだけでわかるのかって言われたらちょっと有り得ないが、それだったらわかる。
あいつはやりかねない。
幸に執着していた元カレ。
顔は見たことがない。
だから気づかなかった。
あいつは―‥
克哉は元カレじゃないのか?
あの違和感―‥
記憶を失った幸は何も覚えてない。
『同い年ですよ。』
そんなのわかるわけないだろ。
前から知り合いの証拠だろ。