記憶のつぶ

裕一郎の声だった。


一瞬身構えたあたし。


そんなあたしと、



‥体の痣を見て、

『どうした!!?』

克哉じゃない知り合いの顔を見て、思わず泣き出してしまった。


それから警察に行った。
裕一郎が対応してくれた為よく覚えていない。

しばらくして両親が来た。
あたしを見て、
父は黙り、母は顔色が真っ白だった。


あたしは訴えなかった。
もぅ係わり合いたくなかった。
あたしの目の前に二度と現れないだけでいい。
そう警察に言った。

そのあと母と叔母があたしのアパートを片付けに行ってくれた。





しばらくして落ち着いてから自分をみると、酷かった。

髪はきっとボサボサだっただろう。

靴も服には合ってなくてチグハグ。


本当‥しばらくしてからだったから薄いのは消えたと思うけど、いたるとこに痣があった。

一番衝撃を受けたのは首だった。


くっくりと人差し指、中指、薬指の跡がわかった。

‥それと顎の右側に小さな傷。
たぶん親指の爪で傷が付いたんだと思う‥



そんな出で立ちでここまで帰ってきたのだから、道中色んな目で見られただろう。
覚えてないけど‥
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