SPIRAL GAME
ほぇ~と見ている和音の後から微かな笑い声が聞こえてきた。
振り向くと蒼也がクスクスと笑っている。
和音は首を傾げて蒼也を見つめる。
蒼也はニコニコと微笑みながら和音の頭を撫でて上げる。
「ごめんごめん。 ついついね」
「「ついついで何で笑うの…?」」
蒼也が口を開くのと同時に麗と蓮が声を沈めて蒼也を睨み付けた。
その瞳には怪しげな暗闇がかかっていた。
和音は再び二人の恐ろしさに肝を冷やした。
そんな時怯えるような顔をしている和音の服の裾を誰かが引っ張った。
振り返ると教室を見回した時目に写ったお人形のような女の子だった。
その子はぼうっとどこかを凝視している。
「麗~蓮~」
「や 秋」
「久しぶり…」
なんとも力が抜けた声を響かせて少女は双子に抱きついた。
和音は瞬きを繰り返す。
突然現れた女の子を抱き締める二人は柔らかくて温かい笑顔を浮かべていた。
和音と蒼也はじゃれ合う三人を見つめる。
口を半開きにしているため口内が少し乾き出してきた。
そんなとき麗が少女を抱え上げて抱っこの体勢をとった。