SPIRAL GAME


「えぇ皆さん。 私が校長の寿潟(ヒサカタ)です」


キィン…、とマイク独特な甲高いノイズを鳴らしながら寿潟は一礼をした。
上げられた顔は蒼白でお世辞にもいいとは言えない顔だったが声や立ち姿は確りとしていた。


「IMITATIONの皆さん。 コレより この学園を卒業するのに大切なバッチ…『ZEROバッチ』を渡します」


校長の言葉が終わるか終わらないかの間に数人の教師が桜色の綺麗なバッチを一人一つずつ渡し始めた。
小さなそのバッチは何か不思議な力を感じさせた。


「そして…この学園ならではのルール……『SPIRAL GAME』を説明します…」


聞き慣れない言葉に全生徒はざわめき始める。
和音も首を傾げながら手を繋ぎながら隣に立っている秋を見る。
秋もアンティークドールを抱えながら首を傾げている。
和音は反対側に立っている麗と蓮に視線を配る。
二人は何かを感じているのか冷めた瞳で校長を見つめている。
その瞳には深い狂気が滲み出ていた。
鳥肌が立った和音は急いで前を向いた。
秋は和音を見上げて「大丈夫…?」と尋ねてきた。
和音は歪んだ笑顔で「大丈夫」と答えた。


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