SPIRAL GAME
語尾を妙に間延びさせた麗が和音の肩に手をポン、と置く。
和音はそのあまりにも穏やかで優しい手に鳥肌を立ててしまった。
蒼白に染まっていく和音の頬に柔らかな感触が押し付けられた。
驚きを隠しきれず隣を見ると蓮が唇をゆっくり舐めていた。
さらに驚いた和音は秋の裏に逃げ込む。
「な…な…!!」
「そんな驚くこと~?」
「馬鹿らし…キスくらいで動揺しちゃって…」
和音が反論しようとした瞬間 秋が再び声を張り上げた。
内容は先ほどと同じ。
寿潟は青い顔で秋を見構えながら口を動かす。
「"卒業試験"はその名の通り卒業するための試験です。 卒業出来ない生徒には永久にココにいていただきます」
寿潟の言葉に生徒達は一斉に声を上げる。
和音達も例外ではなくショックを受けていた。
そんな中、唯一驚いていない人物がいた。
麗と蓮だ。
二人はポケットに手を入れて妖しげな微笑みをしながらステージに立つ寿潟を見つめている。
その微笑みは"余裕"すら感じさせられた。
和音はそんな二人に眉を潜めずにはいられなかった。