SPIRAL GAME


「麗くん…蓮くん?」
「あ ごめん。 あまりにも……バカラシクテネ」


クールに構えている蓮とは反対に麗が軽々しく答えた。
しかし、言葉の終わりになるにつれて音程が下がっていくのに恐ろしさを感じさせられた。

そんな和音を救うように寿潟が「以上」と言い残しステージを下りていった。
一瞬だけ寿潟を見た後再び双子に視線を戻すとお互いいつもの顔をしていた。
おちゃらけた麗、クールな蓮。

和音は眉を潜めて二人を見つめていると後から声をかけられた。


「和音」
「あ 璃亞…美華さん」
「私達とチームを組まない?」
「美華さんもいいんですか?」


美華は笑顔で"もちろん"と頷いた。
和音も嬉しくて満面の笑みで頷き返した。
そこで思い出したかのように後ろを振り返る。
そこにいる双子と秋に声をかけた。
チームは何人でも構わないらしい。


「麗くんと蓮くん それと秋ちゃん、一緒に組まない?」


和音の言葉に麗は右手の中指と薬指を曲げてそれをヒラヒラと振りながら方目を瞑る。
ニィッと彼独特の笑顔で「俺たちはやめておくね?」と言った。
え、と和音がすっとんきょうな声を出したのと同時に秋も寂しそうに眉を歪めて首を横に振った。


< 20 / 45 >

この作品をシェア

pagetop