SPIRAL GAME


「先客…ゴメン和音…」


秋は和音の服の裾を握り締める。
愛らしいその姿に和音はほっ、と胸を撫で下ろす。
特に何かを心配していたわけでは無いのだが何かが抜けたように感じていた。
秋はとても愛らしい顔で笑った。

そのまま同じクラスだと思われる男女のグループへ駆けていった。
美人な二人の女性とカッコ決め(ナルシスト風)な男性が一人。
少し寂しさを覚えたが和音は璃亞と美華の手を強く握り微笑んだ。


「二人ともよろしくね!」
「こちらこそ」
「よっしゃ! 全ゲーム勝ち越しだ!」


璃亞が声を上げたとき彼女の叫びに相反する声が聞こえた。
振り向くと四人の女子生徒が悠々と立ちはだかっていた。
和音たちは唖然とした。
瞬きを繰り返し彼女たちを凝視しする。
彼女達は一人ひとりの個性が露骨に現れていた。


「全ゲーム勝ち越しはウチらだよ!」
「勝ちに行く…」
「ウチらに負けはなし」
「よろしくお願い致しますね?」


一人ずつ言葉を発した。
そのチームワークの良さに和音は驚くことしか出来なかった。

彼女達はチーム『友蘭』と名乗り自己紹介をしてくれた。

リーダーの蛇世(イヨ)、色(シキ)、蝶(チヨ)、椿(ツバキ)…。
四人はよろしくと言い残し体育館を後にした。


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