SPIRAL GAME


よしっ!、と璃亞が拳を握り締めると同時に麗が声を発した。
その声は小さすぎて蓮にしか伝わらなかった。


「嫌な予感が…する」
「…麗 占いの結果……確実に凶悪な何かが感じられる」
「嫌だな…」


唯一昼間と同じ黒い帽子を深く被り直す麗の肩を蓮は軽く叩いた。
まるで…この先最悪が待ち構えているように…。

そんな二人の勘を的中させるかのようにスピーカーから再び寿潟の声が聞こえてきた。


「今回は"ターゲットルール"です。 ルールは簡単。 …各チームのリーダーに傷を負わせるだけです」
「傷を負わせる!?」
「リーダーが傷を負ったチームは失格となり負わしたチームリーダーにZEROバッチを一個お渡しください。 最後に残ったチームが今日の勝利チームです…」


寿潟の言葉に和音は悪寒を覚えた。
ルールが説明された途端に周りの雰囲気ががらりと変わったのだ。
先程から余裕の笑みを漏らしていた友蘭ですら暗い顔をしている。

あまりのショックに和音は璃亞と美華を見た。
二人も苦しげな顔をして和音を見返している。
IMITATIONは下手をすれば人を殺めるコトもできる能力なのだ。
"傷をつける"程度のことは容易だ。
その事をわかっているのかと疑問を持った和音が声を上げようとした瞬間、スピーカーから声が上がった。


「SPIRAL GAME スタート」


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