SPIRAL GAME
見ると麗がライフルよりも長い銃で鎌を扱う男子生徒と小競り合いをしている。
麗の顔は鎌の重さに辛そうに歪んでいる。
歯をくいしばり必死に相手の動きを止めている。
男子生徒の背中はがら空きだ。
後ろに回り込んだ蓮によって男子生徒の背中は傷つけられた。
再び真っ赤な液体が飛び散る。
男子生徒から解放された麗は膝をつき左腕を押さえた。
「麗…?」
「っ…。 いやぁ~……物理系は得意じゃ無いからな~」
麗が手を腕から退かすと血は止まっているものの大きな切り傷が刻まれていた。
蓮は目を見張る。
しかし麗はにかっと笑いながら「傷つけられたのが蓮じゃなくてよかった」と微笑んだ。
この言葉からチーム双影のリーダーは蓮と言うことになる。
和音達は二人に近づこうとした。
しかし…。
「かずね…危ない…」
肩を引かれた和音はバランスを崩し後ろに倒れ込んだ。
が 大きな熊のぬいぐるみがあったおかげで怪我はしなかった。
ぬいぐるみを見上げると頭の部分に秋が傘を差して座っていた。
真っ黒な傘は夜の空と同化しそうだった。
その傘を使いゆっくり降りてくる秋の手には鎖鎌を持った兎のぬいぐるみが抱かれていた。
「秋ちゃん…ありが…」
「ばか…呑気にしないでよ…。 このゲーム…死人が出るかもしれない…」
「え…?」