SPIRAL GAME
自分の耳でぬるぬると緩く動くそれに和音は身体中の力が抜けてしまった。
無防備に空いている唇に再び麗の唇が押しつけられてきた。
今度は容赦無く舌が入り込み和音の口内で動き回る。
左耳に感じる生温かい温もりと舐められている感触に和音は肩を震わす。
躊躇のないその行動に和音の羞恥心は擽られるばかりだった。
呼吸すら麗に奪い取られている和音の肺が遂に悲鳴を上げ始める。
酸欠になり何も考えられなくなりそうになったとき唇から温もりが離れていく。
同じく耳を這い回っていた舌も離れていった。
肺一杯に空気を吸い込んだ和音の首筋に双子の顔が埋められる。
「……麗くん? 蓮くん?」
和音の呼び掛けに双子の肩が小さく動いた。
ビクッ…と驚いたように揺れた肩は大人しくなってしまい和音はどうすればいいかわからずとりあえず麗の名前を呼んだ。
すると蓮が顔を上げて「なぁに?」と微笑んだ。
和音は目を見開き蓮…と思われる片方を凝視しする。
先程まで後ろにいたのは蓮のはずと混乱する頭をフル回転させる。
疑問府を頭に沢山乗せたとき前にいた片割れが顔を上げて大きな欠伸をした。