SPIRAL GAME


授業修了のチャイムが鳴ったことを確認してから和音は教室の扉を開けた。
先生は既に退室済みで怒られることはなかった。
代わりに璃亞と美華、秋が駆け寄ってきた。
三人は少し怒った顔をして和音にドコにいたか問いただしてきた。
和音は嘘をつく理由もなく素直に答えた。
詳しいことは話さなかったが麗と蓮も居たことを話すと璃亞が拳を握り締め顔を前髪で隠した。
影がかかっている璃亞の顔は恐ろしかった。
般若とは今の璃亞のような状態なのだろう。
楽しそうに笑いだした璃亞に和音と美華、秋も例外なく目を瞬く。


「あの腐れ双子ぉぉおおお!!」


璃亞が発狂し教室を出ようと扉に手をかけようとしたとき、扉が勝手に開いたのだ。
その原因は璃亞で言う腐れ双子だった。
璃亞が文句を言おうと口を開いた途端二人はその場に倒れ込んでしまった。
突然の出来事に璃亞やクラスの全員が目を丸くした。

急いで璃亞が麗の頭を抱え上げる。
その時に感じた独特な滑る感覚に璃亞は眉を潜めた。
手を見てみれば真っ赤に染まっていた。
美華が蓮を確認すると同じく手が赤く染まる。

頭から大量の血を流す双子に秋は泣きながら駆け寄る。


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