SPIRAL GAME


「…とりあえず 進もう」


和音の意見に賛成とばかりに璃亞と美華は深く頷いた。
初めの一歩を確実に踏み出した和音の上空には蝙蝠が飛んでいる。
足に小型カメラを吊るしている蝙蝠はチーム花音に付いてくる。
恐らく監視役なのだろう。
となれば、他のチームの上空にも飛び回っている筈。
確認をしたかったが壁は思った以上に高く、乗り越えるのは不可能だった。
寧ろ、女の子の和音には尚更だ。

最初の曲がり角を曲がるとウサギが立っていた。
二本足で。
小さな衝撃を受けた和音の足元にウサギは近付き何かを置いていった。
ソレを拾い上げたときにはウサギは消えていた。

わら半紙の手触りに似ている紙を丁寧に開いていく。
璃亞と美華も背後から覗き見る。


【知力ゲーム、第一門、虐殺とは何か説明しろ】


…とだけ書かれた紙には赤い斑点が飛び散っていた。
和音は眉を潜めたが美華は大人の余裕とばかりに口を開いた。


「虐殺とは、むごたらしい方法で殺すことよ。 いいことではないわ…」


説明し終わってから美華は豊満なその膨らみの前に手を置いた。
視線は斜め下に下がっている。
璃亞が美華の言葉を鸚鵡返しした瞬間、頭上にいた蝙蝠が喚きだし何かを落とした。

拾い上げて見ると地図だった。
この迷路の地図だろう。
わざわざご丁寧にスタート地点とゴール地点が表記されていた。


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