SPIRAL GAME
次の問題に賭けようと和音達は次の角を慎重に曲がった。
そこにいたのは二本足で立っているウサギではなく、倒れ込んだ蓮だった。
「蓮くん!」
和音達が慌てて近寄ると壁を越えて麗が現れた。
麗は右腕を血だらけに染めていた。
一滴一滴落ちる赤い雫は地面に赤黒い溜まりを作っていく。
「麗くん…!」
「あ いたの 和音ちゃん」
ぞくり…。
和音の背中に走ったのは悪寒。
いつもの軽い感じの麗とはまるっきり違い、あまりの冷たさに身震いするようだった。
怖さに声を失った和音の耳に届いたのは甲高い悲鳴だった。
和音と璃亞、美華も急いで振り返る。
遠くの方で蝙蝠が大暴れしている。
狂ったような蝙蝠たちを赤い何かが染めていく。
衝撃の光景に三人は目を見開く。
「………バカらしい。 クイズなんて表だけ…」
「麗くん……?」
「ここから先に行くなら気を付けな? 武器、使わないとこの迷路は抜けられない」
麗は指を鳴らし霊を呼び集めた。
その子達に蓮を護って貰いながら先の角を曲がっていってしまった。