SPIRAL GAME
「何するの!?」
「璃亞こそ何するの!!」
犬が威嚇するように喚き散らしながら言い争いをする二人の間に手が割り込んできた。
目を見開く二人になんとも軽い声が呼び掛けてきた。
声の発生源に三人が目を向けるとまるっきり同じ顔をした男の子が二人立っていた。
片方は黒い帽子を被りもう片方は黒い指ぬきのアームカバーをしていた。
「ハイハイ! 喧嘩はソコまで。 教室に入りましょうよ 和音ちゃん 璃亞ちゃん?」
「!?」
「教室に入れないからソコ退いて」
「!!?」
見ず知らずの男の子に名前を呼ばれ蒼也とは違う雰囲気の毒を吐かれた。
帽子を被っている方の男の子は驚いている和音の顔を見て方目を瞑り無邪気に微笑んだ。
そして右手の中指と薬指を折り曲げて顔の横でひらひらと動かした。
「俺は鏡影 麗(キョウエイ レイ)。 以後お見知り置きを?」
歯を見せながらニィッと笑う麗は帽子を取りお辞儀をした。
そんな麗とは正反対にもう一人は窓の外を見ながら右手の親指と人差し指で右耳のピアスを弄っている。
そしてダルそうに方目を瞑り口を開いた。
「……鏡影 蓮(キョウエイ レン)」
挨拶する気がさらさら無いような態度に和音は眉間にシワを寄せた。