SPIRAL GAME
文句を口走ろうとした和音より早く美華が声を上げた。
その声は先程より低く叱るようだった。
「あなた もう少し礼儀を知った方が良いわ」
「……」
「蓮~ 謝っときなよ?」
麗が軽々しく蓮の肩に手を回した。
そんな麗に蓮はため息をついてから小さく謝罪した。
しかしそのあまりにもぶっきらぼうな態度に美華が声を荒らげた。
「あなたね! それが人に謝る態度…」
「本詩美華 アンタ黙らないとその頭ぶち抜くよ」
美華の言葉が終わらないうちに蓮は口を開きピアスを弄る。
気分を害した美華は麗に矛先を向ける。
「あなた この子と兄弟なんでしょう!? 何とか言いなさいよ!!」
「おー怖! 美華姐さん あんまり怒るとその美貌が台無しだよ?」
「今はそんなことどうでもいいの!」
「はぁ~。 蓮 お姉さん 怒っちゃってるよ?」
麗が深くため息をつきながら両手の人差し指を立てて頭の上に持っていく。
ニィッと笑う麗に蓮は声を出さずに口を動かした。
呆れた顔と冷めた目で麗を見据えたあと両目を瞑り首を横にふる。
長い嘆息をした後両目を開きニヤリッと口先を持ち上げる。
「ごめんね~? こういう性格なんだよね? 多目に見てよ 美華姐さん?」
「うわ キモ。 その口調で俺に話しかけないで」
「酷! 蓮の意地悪!」
「話しかけんなって言っただろ」