SPIRAL GAME

教室



和音と美華は愕然とした。
先程とはまるっきり逆の態度と口調の二人に目を瞬く。
麗が蓮のように蓮が麗のようにコロッと変わってしまった。
頭が混乱して何も言えなくなった美華に麗と思われる片割れが話しかけてきた。
しかし彼の口調は軽々しく最初に会ったときのようだった。


「どうだった? 面白かった?」
「へ…?」
「口閉じな。 アホらしいから」


蓮と思われる片割れは毒を吐きながらも美華に向かって頭を下げた。
その仕草に美華は驚きを隠せない。
あまりの変貌に目を見開く。
硬直し言葉を失っていると今まで黙っていた璃亞が和音と美華の手を握り締める。
手に感じる温もりに二人は璃亞を見る。
璃亞は少し困った顔をしながら微笑んでいる。


「麗 蓮 二人を苛めないでよ」
「あれ やっぱり二人は璃亞ちゃんのお友達だったんだね~」
「璃亞ちゃん…そんな友達 疲れない?」


お互いに正反対の表情をして口を開く。
同じトーンで話すためどっちがどっちかわからなくなりそうだ。
璃亞は二人の真ん中に入り腕を絡める。
そして満面の笑顔を浮かべて口を開く。


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