パラレルライン
「で?ミッションはクリアしたのかな?」
団扇を扇ぎながら明菜が言った。
夏真っ盛りの午後、クーラーがない教室の中はまるでサウナみたい。3年生になると教室にクーラーがついてるみたいなんだけど、うちらはまだ1年生だからね……
「…それがまだなんですよ明菜さん」
「まぁ、相手があのアイドルじゃあねぇ…」
「大高くんにはレベルが高すぎだと思う〜〜〜きゃは☆」
きゃはってねぇ…陽奈…(笑)
ほんと陽奈の小悪魔ぶりにはついていけないわ…
「もうすぐ夏休みだからなあ〜…早くメアド聞かなきゃヤバいよね……」
「うん…でもさぁ、絢美なんでそんなに一生懸命なんだよ」
「え!?」
「そぉそぉ!絢美ちゃん、大高くんと喧嘩ばっかりしてるのに…一生懸命協力しようとしてるから、陽奈すっごい不思議なんだけど〜」
え…そんなにあたし…
一生懸命かな…